航空機部品

航空機部品の輸出入に関わるハンドリング業務は当社創業以来の基盤業務です。
航空機運航を24時間365日サポートする、まさに安全性に直結する業務であり、商材の特殊性に対応可能な知識と精度の高いパフォーマンスが要求されます。

航空機部品の海外修理・新規調達

サービスフロー(航空機部品の海外修理)

図: サービスフロー(航空機部品の海外修理)

フライトを重ねるうちに、使用している部品によっては、消耗・摩耗等が生じてしまうものが出てきますが、部品の多くは、海外ベンダーの工場で修理し、また、完全に使用できる状態になります。
当社では、この部品の往復のプロセスを担い、海外ベンダーへの修理対象部品の梱包及び輸出通関、さらには、修理完了後の日本国内への輸入通関及び国内配送手配をも担い、迅速、確実に航空機整備の現場に届けることで、安全・安心なフライトを支えています。

サービスフロー(航空機部品の新規調達)

図: サービスフロー(航空機部品の新規調達)

一般に、1台の車は小さなネジから数えると約3万個の部品でできているといわれていますが、航空機を安全に飛ばすためには、車の100倍の部品が必要です。
数百万個の部品は、航空機を作る会社と公的機関による認証を受けた専門の会社との協業にて部品をつくることにより、高い品質と安全性が保たれています。
日本の航空会社は自社使用する部品の多くを海外ベンダーから調達しており、海外から日本に到着した部品は、保税地域での輸入通関手続を経て、航空会社の整備拠点や協力会社に配送されます。
当社では、部品の特性と優先度合いに応じた最適な通関・配送方法を提案・実施することにより、航空機の安全な運航を支えています。

航空機部品の海外拠点への輸送手配

サービスフロー

図: サービスフロー(航空機部品の海外修理)

ちょこっと豆知識

海外基地とは

ANAが就航している世界47都市には、最低限の整備に必要な部品を備えています。
当社では、海外空港へ配備するための航空機のタイヤや機内照明といった、安全な運航のために欠かせない物品を世界中の就航空港へ発送する手配を行っています。

海外整備工場(MRO)とは

MROとはMaintenance Repair Overhaulの略称で、航空機の整備工場のことです。
当社では、ボルト・ナット類から、機体の塗装に使用するペイントや客室の床に敷くカーペット等といった、あらゆる航空機のメンテナンスに必要な部品を、ANAが整備を委託している世界4か所のMROへ日々大量に発送しています。
また、航空機部品には危険物も多いため、安全な輸送を行うための豊富な専門知識が問われます。

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危険物輸送の規則に則り正しい申告と梱包を行います。
危険物の取り扱い
航空機部品には国連の機関が「危険物」と定義している物品が多くあります。例えば、機体の塗装に使用するペイントや緊急時用のライフベストといった部品も万が一に備えて航空輸送危険物に指定して、何があっても航空機の運航に影響が出ないように適切に取り扱うことが求められています。当社では様々な危険物を安全に輸送するための取り扱いに精通し、正しい申告と梱包を行い確実な海外向け発送を行っています。

当社のここがスゴイ!

航空機部品の取扱いに熟知

航空機部品とひとくちで言ってもさまざまな種類があります。ボルトや客室の案内表示のプレートといった非常に小さな部品から、エンジンやレドーム(飛行機の鼻の部分)といった超大型部品まで大小様々な部品を扱います。
当社では、形状を選ばないインスタパックと呼ばれる特殊な梱包材をはじめ、デリケートでな航空機部品の海外への輸送に耐えられる取扱を熟知しています。

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    梱包後のレドーム
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    B787のスラストリバーサー(エンジンカバーの一部)

超大型部品梱包

航空機エンジンやレドーム(航空機の鼻の部分)、ラバトリー(機内の化粧室)といった非常に大型の部品を輸送することも多々あります。
人の手では動かすことのできない超大型部品に関しても、 当社ではこれまでの経験と知識を基に、デリケートである航空機部品が輸送に耐えられる梱包を行います。

写真: 超大型部品梱包

機体通関

航空会社がBOEINGやAIRBUSといった海外メーカーから新しい航空機(新造機)を取得する場合、海外から日本に向けた空輸(フェリーフライト)を行った後に、航空機(新造機)の輸入通関手続を行います。
反対に、航空会社が日本国内での役目を終えた航空機(退役機)を売却する場合には、日本から海外に向けた空輸が始まる前に航空機の輸出通関手続を行います。
その他にも、航空会社が自社の航空機を海外整備工場(MRO)へメンテナンスに出す場合、メンテナンス時に新たに取り付けられる部品の大半が日本の関税・消費税の課税対象となるため、メンテナンスを終えた航空機が日本に戻って来る際には部品の輸入通関手続を行います。
当社では総じて年間50機以上の通関手続を行っており、航空機の輸出入分野におけるトップランナーを自負しております。

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    新造機輸入通関到着した新造機にすぐ乗り込み、製造番号、搭載燃料の確認、燃料の比重を計測するなど、税関申告に必要なデータを収集します。
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    売却機輸出通関通常、垂直尾翼には航空会社のマークが描かれます。しかし、売却すると垂直尾翼のマークは消され、機体全体を真っ白に塗装したりします。
    このような機体は「ホワイトテール」と呼ばれます。